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 ヒトを含む多細胞生物のからだは、受精卵という一つの細胞を出発点として、精子と卵から受け継いだ遺伝情報に基づいて胚の発生が進行する。胚が発生する過程では、さまざまな種類の細胞が生み出され(細胞分化)また細胞は相互作用を繰り返して形態形成が行われ、数多くの細胞が集合した組織や器官からなる体が作り上げられる。発生生物学は、このような生物の発生のしくみを研究する学問であり、さらに発生と関連した再生現象や幹細胞も研究対象として含まれる。

 この講義では、細胞分化や器官形成の仕組み、さらに幹細胞や組織再生の特徴の概略について解説する。また、このような動物の発生や再生の過程における遺伝子群の働きや幹細胞を特徴づける遺伝子群の働きについても解説する。

 また、発生・再生・幹細胞生物学に関わる最近の論文を講読することにより、理解を深める。