航空機構造は軽量性と高強度を実現する構造であり,主として薄板と補強フレームから成るセミモノコック構造が用いられる.そのような構造に曲げやねじりが加わる時に生じる応力や変形を解析し,強度評価を行うために様々な手法が開発されてきた.現代ではコンピュータを用いた詳細な解析が主流となっているが,その基本となる伝統的な構造解析の手法は,航空機構造を深く理解する上で重要なものである.本講義では,セミモノコック構造,そして航空機胴体,翼の応力解析手法に関する基礎知識を修得することを目的とする.なお,本講義の難易度は比較的高いが,日本で航空機構造力学について学べる機会は非常に少なく,貴重な経験となると思う.また,本講義で得られたセミモノコック構造の力学の知識は,鉄道車両や自動車,バスのボディの設計にも応用できる.