授業の目的
コンクリート構造物および鋼構造物の維持管理のための必要な知識のうち,特に学生時代に時間をかけて習得すべき力学を中心とした基礎を習得する。
授業の概要
主としてコンクリートおよび鋼の橋梁の桁を題材に、以下の基礎知識を習得する。
1. 複雑な応力下でのひび割れ
2. はりの種類と生じる応力・ひずみ
3.鋼橋の成り立ちと劣化・損傷
4.コンクリート橋の成り立ちと劣化・損傷
5.鉄筋及び鋼材の腐食メカニズム
6. 構造物の点検・劣化診断と劣化予測
到達目標
主としてコンクリートおよび鋼の橋梁の桁について,以下のことができるようになること。
1. 複雑な応力下でのひび割れの大きさと方向を求めること。
2. 単純桁および連続桁の支点反力を求め,影響線図を描けること。
3.劣化した鋼橋の状態から,おおよその原因と対策を述べること。
4.劣化した鋼橋の状態から,おおよその原因と対策を述べること。
5.点検結果からコンクリート中の鉄筋の腐食開始時期を予測すること。
6.現在行われている構造物の目視点検の概要を理解し,劣化度評価にもどついた簡単な劣化予測ができること。
授業の方法
講義の進め方:
講義を主体とし,各回に課題を課す。
授業計画
(複雑な応力下でのひび割れ)
第1回 傾斜断面の応力【「材料力学」131~135】
第2回 モールの応力円による主応力と向きの求め方【「材料力学」pp.135~137】
(様々な形式の桁に生じる応力とひずみ)
第3回 桁を考えるための基本,桁の支点反力【「構造工学入門」pp.58~72】
第4回 様々な荷重を受ける単純桁の断面力図【「構造工学入門」pp.72~78】
第5回 単純桁の影響線【「構造工学入門」pp.78~81】
第6回 連続桁の影響線【「構造工学入門」pp.82~83】
第7回 桁に生じる応力とひずみ【「構造工学入門」pp.84~89】
(コンクリート橋の維持管理)
第8回 鉄筋コンクリート橋の成り立ち【「構造工学入門」pp.94, 95, 103】
第9回 鉄筋コンクリート橋の壊れ方(1)【「構造工学入門」pp.113~130】
第10回 鉄筋コンクリート橋の壊れ方(2)【「構造工学入門」pp.113~130】
第11回 プレストレストコンクリート橋【「構造工学入門」pp.103, 130~132】
(鋼橋の維持管理)
第12回 鋼橋の成り立ち鉄筋コンクリート橋の壊れ方【「構造工学入門」pp.94, 96~102】
第13回 鋼橋の壊れ方鉄筋コンクリート橋の壊れ方【「構造工学入門」pp.105~109】
第14回 鋼材の疲労と腐食【「構造工学入門」pp.109~112】
(点検に基づく劣化予測)
第15回 構造物の点検,劣化度評価と劣化予測,特に塩化物による鉄筋腐食開始時期の予測【別途資料配布】
(最終試験)
第16回 最終試験
成績評価の方法・基準
◆C:以下の項目を満たすこと
・複雑な応力下において主応力の大きさと方向を求めることができること。
・単純桁の反力および影響線を求めることが出来ること。
・コンクリート橋および鋼橋の成り立ちおよび壊れ方の基本を理解していること。
・構造物の点検と劣化度評価の概要を理解し,簡単な劣化予測ができること。
◆B:上記に加えて,
・連続桁の反力および影響線を求めることが出来ること。
◆A:上記に加えて,
・点検結果からコンクリート中の鉄筋腐食開始時期を予測可能であること。
◆AA:評価Aであるものについて,要領を得た記述等,答案が極めて優れているもの。
授業時間外学習(予習・復習等)
予習:各回の講義計画に示されたキーワードの定義を調べてくること。
復習:各回の宿題を自力で解いて,授業翌日に提出すること。
キーワード
コンクリート橋桁
鉄筋コンクリート
プレストレストコンクリート
鋼橋桁
主応力
モールの応力円
ひび割れ
単純桁
連続桁
支点反力
影響線
桁の破壊
破壊モード
曲げ破壊
せん断破壊
鉄筋腐食
鋼材腐食
塩害
溶接
ボルト接合
リベット接合
点検
劣化度
劣化予測
他の科目との関連
履修の前提となる科目:
材料力学,構造の力学1,構造の力学2,コンクリート工学,鉄筋コンクリート
備考
1.指定教科書1番と2番による予習と復習を前提とする。
2.「土木施工管理技士」受験に際して必要な実務経験年数短縮のために学部卒業までに単位を取得すべきB群科目
- Teacher: 大内 雅博
- Teacher: 細川 昌樹(Masaki HOSOKAWA)