経済学では1960年代から徐々に実験手法が受け入れられるようになり、現在では経済学における重要な一分野を築いている。この講義では、受講者が実際に実験に参加し、その実験内容に関連する経済理論を習得し、経済理論と実験データとの整合性について学習する。多くの経済理論は数学を使って人間の行動を記述しているが、人間の行動は数学で記述できるほど単純なものなのか否か、実験で確かめてほしい。授業では、経済学でよく行われている実験を典型的な設定の下で行い、伝統的な経済学の理論との整合性を確かめる。次に、伝統的な経済学の仮定のどこが間違っていて、その結果どのような政策的な影響があるか、どう理論や政策を修正すればよいのかについて検討する。また、実験経済学の原理と方法についても各実験を行う過程で併せて説明する。