現代文明は目覚ましい発展を遂げた物質文明の基礎の上に成り立っている。その基礎となる物質文明は、物理学、物質科学、化学、生物学などを基礎科学とし、さらに医薬学、環境科学、電子工学、機械工学、土木・建築工学、情報通信学、航空・宇宙工学、経済経営学などにより支えられている。そうした様々な分野の学問がますますその裾野を広げており、そして互いに相互作用し、さらに新たな知識へと膨らんでいくであろうことは容易に想像がつく。その基礎科学のなかでも、化学はセントラルサイエンスとしての要素が強く、各分野で応用し、利用されていることは間違いない。本授業は、化学を主専攻とする学生はもちろんのこと、物質科学、生物学、環境科学、電子工学、機械工学、土木・建築学、宇宙工学、情報工学、経済経営学など様々な学問分野を専攻とする学生に対しても化学の重要性が認識できるようにする。化学の切り口をこれまでの一般の教科書にあるような学問としての体系からではなく、物質のもつ化学構造と物性の関係、物性と利用法などに焦点を当て、化学が果たしている現代社会への貢献の一端を理解する。